「ちょっとだけ」友は私に後悔と思い出残し黄泉に向かった
★「月蝕歌劇団」主宰 高取英逝去
寺山の劇魂(こころ)を身体に沁み込ませ過激に疾走(はし)り劇魔昇天
博識の劇王描く幻惑の史劇いつしか詩劇になりき
知行するときの心得花房に 死してその名の意味を我知る (註)高取とは知行の多い人、英とは花房。
月蝕にこだわり愛した怪人は月欠けの日に「エイッ」とあの世へ
マッチ擦り顔を照らして己(おの)語る月蝕の芸 誰(た)が跡守る
★月蝕歌劇団公演「ドグラマグラ」観劇歌
久作の胎児の夢が明治期の土蔵真暗(どぐらまぐら)の中で蘇生す
胎内で雌雄未分の呉一郎 凛とし少年演じる少女
難解な夢のマグマを何回も溶いてほぐして高取歌劇(エンタメしばい)
★流山児★事務所公演「腰巻お仙」観劇歌
万遍(まんべ)なく生(せい)ある男(おのこ)受け入れる腰巻お仙の下半は仏
末法を生きる時代にお仙来て腰巻ハラリ股間はキラリ
笛吹けば煩悩深き人数多(あまた) お仙求めて河原に集う
★観能歌
足擦れる音が舞台を引き締めて奥深き能 五感ピリピリ